概要
日本では現在、新たな薬価制度を中心として、医療制度の大きな変革期を迎えています。2016年度から厚労省において医療技術評価(HTA)制度のパイロット導入が始まり、2019年度からは本格的な運用が始まりました。このような社会的状況を受けて、医療政策・技術評価分野における人材養成が喫緊の問題となっています。東京大学公共政策大学院では、社会人や若手研究者等を対象とした「医療技術評価」次世代教育のための「HTAエキスパート養成プログラム」において、医療政策・評価に関して高度で実践的な能力を有する人材を養成します。
修得が期待されること
アドバンストコース:初級レベルの知識があること(例えば、必須ではないが本プログラムの基本コースの修了)を前提として、さらに進んだ中級レベルの手法や先端研究トピックスについての知見を深める。実践力養成のため、履修者は小グループに分かれて討議を重ねて、厚労省の費用対効果評価ガイドラインに沿う仮想の費用対効果分析を行う。その結果をクラスで発表し、全体討議を行う。コース参加者は、そのような実践的な分析トレーニングを通して、医療技術評価や医薬経済学の上級レベルの実力を磨くことができる。
開講日程
アドバンストコース:2024年9月12日~12月5日1週3時間、11週 計33時間 (木曜日 18:00-21:00)
受講対象者
アドバンストコース:医療関連企業の社会人、医療関連の研究者、医師・薬剤師等病院関係者、医療行政関連の公務員等で、医療の技術評価や厚労省の費用対効果評価の新制度に関わる実務に従事(を予定)している人。または、本プログラムの基本コース修了者。
内容
<アドバンストコース>第1週 9/12 |
コース・オリエンテーション/ビジネス戦略の考え方 文献による費用対効果分析の事例紹介 グループ別プロジェクト:テーマ選択と自由討議 |
第2週 9/19 |
講義:中級レベルの手法 [1]QALY再考 [2]効率的フロンティア 講義・演習:TreeAge Proの実働デモ |
第3週 9/26 |
講義:中級レベルの手法 [3]ロジスティック回帰 [4]コックス比例ハザードモデル [5]プロペンシティスコア分析 グループ別プロジェクト:分析作業・実習(1)分析デザイン |
第4週 10/3 |
講義:中級レベルの手法 [6]診断とベイズ推論 [7]ベイズ統計学 グループ別プロジェクト:分析作業・実習(2)EQ5Dによる効用値測定 |
第5週 10/10 |
講義:中級レベルの手法 [8]メタアナリシスと間接比較 [9]費用対効 果受容フロンティア(CERF)[10]完全情報の期待価値(EVPI) グループ別プロジェクト:分析作業・実習(3)費用について |
第6週 10/24 |
講義:ナショナル・データベースへのアクセスと事例紹介 グループ別プロジェクト:中間発表と全体討議 |
第7週 10/31 |
講義:先端研究トピックス(1) 英国NICEの事例紹介 グループ別プロジェクト:分析作業・実習(4)ICER算出/感度分析、TreeAge実行 |
第8週 11/7 |
講義:先端研究トピックス(2) PRISMAと中医協の事例紹介 グループ別プロジェクト:分析作業・実習(5)ICER算出/感度分析、TreeAge実行の続き |
第9週 11/14 |
講義:先端研究トピックス(3) 財政インパクト分析 グループ別プロジェクト:分析作業・実習(6)結果の批判的吟味 |
第10週 11/28 |
グループ別プロジェクト:最終発表と全体討議 |
第11週 12/5 |
コースのまとめ講義 修了証授与式 |
応募書類の様式等詳細については下記リンクよりご確認ください。
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