日立産機システムは、「IIFES 2024」(2024年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)の日立製作所ブースにおいて、レーザー測位システム「ICHIDAS Laser」を中核とした「ガイドレスAGV開発キット」を展示した。
同キットは、磁気テープなどによる走行路のガイドを用いない無軌道(ガイドレス)のAGV(無人搬送車)/AMR(自律搬送ロボット)の開発に必要なセンサーやモーター、ソフトウェア開発キット(SDK)付属の車両制御用コントローラーがセットになっている。筐体となる台車などに組み付けることで、簡単にガイドレスAGV/AMRを試作することが可能だ。
センサーは、北陽電機製のレーザースキャナーと、レーザースキャナーからの出力データを基にAGV/AMRの位置や姿勢の検出を可能にするICHIDAS Laserから構成されている。ICHIDAS Laserは、ジャイロや加速度センサー、エンコーダーなどのロボットの状態を把握するための内界センサーを用いずに位置と姿勢を検出できることが特徴で「既にAGVやAMRで広く採用されている」(日立産機システムの説明員)という。また、ガイドレスAGV/AMRに必須となる地図作成についても、レーザースキャナーとICHIDAS Laser、ICHIDAS Laser付属の地図作成用ソフトを用いれば自動で行える。
車両制御用コントローラーは日立の産業用コントローラー「HXシリーズ」がベースになっており、制御ソフトウェアのサンプルプログラムも付属している。車両制御用のSDKは、工場などの現場で取り扱いやすいようにラダー言語でプログラムを組めるようになっている。「制御機器のプログラムではC言語なども利用されるようになっているが、現場にとってやはり一番親しみやすく使いやすいのはラダー言語だろう」(同説明員)。サーボモーターとドライバは、ワコー技研製の2軸一体型を用意している。
展示では、ガイドレスAGV開発キットを用いてAGV化したスーツケースを披露した。同キットには基本筐体やセンサーやシステム間をつなぐハーネス、駆動源となるバッテリーは付属していないが、これらのうち基本筐体にスーツケースを用いて簡単にガイドレスAGVを開発できることを示す例となっている。
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