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ロイヤルティープログラム新潮流 顧客のLTV高める「2つの視点」 - 日経クロストレンド

ロイヤルティープログラム再構築 第1回

購入の機会、金額が多い顧客に向けた特典、いわゆるロイヤルティープログラムを刷新、新設する企業が相次いでいる。裏にあるのは、ロイヤルティープログラムの効果に対する疑念と、自社やブランドと顧客の関係を問い直す機運だ。取材からは、ロイヤルティープログラムでLTV(顧客生涯価値)を高めるための新常識が見えてきた。

ロイヤルティープログラムは、ロイヤルカスタマーの維持に効果があるのか(写真/DC Studio/stock.adobe.com)

ロイヤルティーが高い顧客が求めているのは、本当に値引きやクーポンなのか?(写真/DC Studio/stock.adobe.com)

ロイヤルティープログラムは効果的か

 「お金の切れ目が縁の切れ目なんて言葉もあるけれど」――今回、取材をする中で、ロイヤルティープログラム担当者から聞こえてきたのは、こんな声だった。

 ロイヤルティープログラムとは、自社やブランドの優良顧客(ロイヤルカスタマー)に向け、特典を提供するサービスのこと。店舗やECでの購入金額や購入回数などに応じてポイントなどのリワード(報酬)を付与し、次回以降の購入時の値引きや割引クーポンといった“お得”な特典と交換できる施策が一般的だ。ためたポイントに応じて会員をランク分けし、ポイントの還元率や付加サービスに差を付ける企業も多い。

 ロイヤルティープログラムの主な目的は、顧客との中長期的な関係性を構築し、LTVを拡大すること。その一方で、近年浮かび上がっているのが「ロイヤルティープログラムは本当にLTVの拡大に効果的なのか」という疑念だ。

 値引きやクーポンだけで、顧客は自社ブランドを選んでくれるのか。そもそもブランドに信頼を寄せ、愛用してくれるロイヤルカスタマーは本当に“お得”を求めているのか。過度な値引きは自社の売り上げ圧迫やブランド毀損にもなりかねない。だからといって、安易に廃止すれば「サービスの改悪」と言われ、顧客が離れていってしまう恐れもある。そうしたジレンマが、冒頭の言葉に表れている。

 それでもロイヤルティープログラムの見直しに踏み込む企業が、この1~2年は増えてきた。ロイヤルティープログラムの活用が盛んなアパレルでは、アディダスやユナイテッドアローズがロイヤルティープログラムを刷新。これまであまり導入されてこなかったレジャー分野でも、よみうりランドが複数の施設で共通の会員制度を新設した。

最近、ロイヤルティープログラムを刷新または新規導入した主な企業

最近、ロイヤルティープログラムを刷新または新規導入した主な企業

 2023年9月時点で1439万人という巨大な会員基盤を抱えるJR東日本グループのポイントプログラム「JRE POINT」も、23年10月にステージ制度「JRE POINT ステージ」を新設。IC定期券「Suica(スイカ)」の購入やチャージ残高での在来線の乗車、駅ビル・駅ナカ施設での買い物などでためたポイント数に応じて、会員を4つのステージに分け、ステージごとに、JR東日本グループの店舗やホテル、鉄道で使える特典を用意した。

 JR東日本によると、ステージ制導入の狙いは、JRE POINTの多様な利用先を周知すること。「会員の利用状況を見ると、SuicaでためたポイントはSuicaにチャージ、駅ビルでためたポイントは駅ビルで利用している人が多く、他のポイントの使い方を知らない人が多いと感じた。JRE POINTは他のサービスと比べて、日常、余暇を含めた鉄道利用でため、使える点が最大の魅力。鉄道を原動力とし、その他の事業も含めたグループ全体での利用を増加させていきたい」としている。

買い物だけ、お得だけからの転換

 これらの事例では、従来通りのポイント付与であっても、「ため方」「使い方」の設計に新たな工夫が見られる。そこから浮かび上がるのは、ロイヤルカスタマーのLTVを向上させるための2つの視点だ。 。

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