米ハーバード大学、反ユダヤ主義に対抗する多様性プログラム拡大へ - ブルームバーグ

米ハーバード大学のクローディン・ゲイ学長は、反ユダヤ主義と闘うための多様性プログラムを拡大する方針を表明した。ユダヤ人学生の保護に向け十分な行動を取っていないとする学生や、資産家のビル・アックマン氏ら卒業生からの批判に対応する。

　　同大は、10月７日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃開始から激しい批判にさらされている。30余りの学生のグループが、米国と欧州連合（ＥＵ）によってテロ組織に指定されているハマスではなく、イスラエルによる攻撃を非難する文章を発表した。

　　パレスチナ側を支持する学内でのデモには、脅迫や「川から海まで（ヨルダン川から地中海まで）パレスチナに自由を」というスローガンが含まれていたとアックマンは語った。同氏は先にＸ（旧ツイッター）に投稿したゲイ氏宛て書簡で、学生や教員陣と面談し、キャンパス内の「悲惨な」状況が明らかになったと指摘した。

　　ゲイ氏は９日、ハーバード大学コミュニティー宛て電子メールで、「『川から海まで』というようなフレーズは特定の歴史的意味があり、多くの人にとってイスラエルからのユダヤ人の排除を意味し、ユダヤ人コミュニティーに苦痛と実存的恐怖を引き起こすことを、われわれ社会は理解しなければならない。私はこのフレーズと同様の有害なフレーズを非難する」とした。

　　卒業生らからの一連の指摘を受け、ゲイ氏は反ユダヤ主義を批判する複数の書簡を発表するとともに、諮問グループを設立し、学生および教職員を対象に反ユダヤ主義について広く、特にハーバード大学で研修を行うことを計画している。

　　またゲイ氏は最新のメッセージで、10月18日にハーバード・ビジネス・スクールのキャンパスで起き、米連邦捜査局（ＦＢＩ）などによって捜査が行われている事件にも言及。ネット上に出回った動画では、反イスラエル抗議行動中にハーバード大生によるユダヤ人学生への嫌がらせ行為があったように見える。同氏は、大学の方針や行動規範に違反したと判断されれば適切な措置を講じる考えを示している。

原題： Harvard to Add Antisemitism to DEI Policy After Ackman Criticism（抜粋）

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