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CureAppの高血圧治療用アプリを使う指導プログラムが保険適用 - Nikkei Business Publications

 日本におけるデジタル治療の先駆けであるCureApp(キュア・アップ)が高血圧治療用アプリ「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」(以下、CureApp HT)を開発。2022年9月1日より、本アプリを組み込んだ指導プログラムの保険適用が開始された。

 具体的には、CureApp HT、患者による血圧測定、医師の指導を組み合わせた6カ月間の短期集中プログラムに対して適用される。医師が薬と同様にアプリを“処方”し、アクティベーションコードを発行。患者はCureApp HTをダウンロードして利用する。医療の外側でのデータを日常的に蓄積・管理し、「生活習慣の修正」をアプリによって支援するのが目的だ。

今回適用された短期集中プログラムの内容(出所:CureApp)

今回適用された短期集中プログラムの内容(出所:CureApp)

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 CureAppが手がけるデジタル治療はDTx(Digital Therapeutics:デジタルセラピューティクス)とも呼ばれ、欧米を中心に採用が進む。発表会見に臨んだCureApp代表取締役CEO兼医師の佐竹晃太氏は「DTxは患者の生活習慣や、精神的な依存においてアプリによる行動変容の治療アプローチで改善・指導の効用をもたらす。医薬品や医療機器に次ぐ、新たな第三の治療と位置づけられている」と定義した。

CureApp代表取締役CEO兼医師の佐竹晃太氏(写真:小口 正貴)

CureApp代表取締役CEO兼医師の佐竹晃太氏(写真:小口 正貴)

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 同社にとって、CureApp HT は禁煙治療向けの「ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー(CureApp SC)」に続く保険適用アプリとなる。現在、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、アルコール依存症、乳がん、慢性心不全と4つのパイプラインが進んでおり、NASHとアルコール依存症に関しては治験準備段階であることを明らかにした。

 「高血圧治療ガイドライン2019」では、治療の第一選択として生活習慣の修正指導が掲げられているにもかかわらず、短時間の診察時間では患者のライフスタイルや生活習慣を把握するのは難しい。また、自宅に戻った患者も適切な改善方法がわからず、挫折してしまうケースも多発している。こうした中、CureApp HTは診療現場、患者双方の課題を解決する可能性がある。

 「我々の調査では、50.7%の患者が『自力での生活習慣改善は難しい』と回答した。次の外来までに自分で生活習慣を改善できる患者はごく一部に過ぎない。その課題は私も臨床現場で常に感じている。そこで医学的根拠に基づき、薬事承認・保険適用を受けた信頼性の高いアプリによって生活習慣の改善に貢献する」(佐竹氏)

 CureApp HTは最初の1カ月を知識の習得、その後の1〜2カ月を行動の実践、最終段階を行動の習慣化とし、大きく3つのフェーズに分けてプログラムが進行する。Bluetooth連携可能な血圧計であれば自動連携。測定データが自動で自身のアプリ、病院のPCに送られ、患者と医師間で共有される。

医学的根拠に基づく内容で生活習慣改善を支援(出所:CureApp)

医学的根拠に基づく内容で生活習慣改善を支援(出所:CureApp)

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 臨床試験では、アプリ介入によって脳心血管病の発症リスクを10.7%、心不全リスクを54%減らせるとの結果を得た。高血圧症は潜在患者数を含む国内の対象者が4300万人と推測され、同社の開発ターゲットの中でも最も多い疾患だ。「そのうち1000万人が通院治療を受けている。降圧薬ベースで6000億円近くになり、医療費のインパクトが非常に高い」と佐竹氏は話す。

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