
「こんにちは赤ちゃん」「二人でお酒を」などの大ヒットで知られる歌手の梓みちよ(あずさ・みちよ、本名林美千代=はやし・みちよ)さんが1月29日に亡くなっていたことが3日、分かった。76歳。福岡県出身。
【写真】デビュー20周年記念リサイタルで熱唱する梓みちよさん(1982年撮影)
「ボサノバ娘」のキャッチフレーズで1962年、シングル「ボッサ・ノバでキッス」でデビューした。翌63年、NHK「夢であいましょう」の今月の歌コーナーで発表された「こんにちは…」(作詞永六輔、作曲中村八大)がミリオンセールスを記録し、同年の日本レコード大賞を受賞。NHK紅白歌合戦にも初出場し、69年まで7年連続で出場した。
64年には学習院初等科の同窓会に招待され、昭和天皇の前で「こんにちは…」を御前歌唱し、初の天覧歌謡曲となった。梓さんの代表曲となった一方で、清純派のイメージが固定化され、脱却できないもどかしさから猛反発して歌わない時期もあった。
74年には、あぐらを組んで歌う「二人で…」がヒットし、大人の歌手へとイメージを一転させた。同年の紅白に5年ぶりに返り咲き、76年に「メランコリー」、79年には「よろしかったら」がヒット。レパートリーは歌謡曲からポップスまで幅広く、60~70年代を代表する歌手となった。
92年には16年ぶりに紅白に出場し、中村さんの死去を悼んで「こんにちは…」を歌った。16年に永さんが亡くなった時には追悼コメントを発表し、同曲を歌うにあたって「いいかい、女性はみんな母性本能があるんだ。胸に玉のようなかわいい赤ちゃんを抱いていると思って歌えばいいんだよ」と、永さんからアドバイスを受けたことを明かしていた。
86年放送のフジテレビ系「さんまのまんま」では、明石家さんま(64)にシャンパンをかけ、お茶の間を凍り付かせた。その後、梓さんがさんまに謝罪し、番組の名場面集でも取り上げられる名シーンとなった。
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