公益財団法人山田進太郎D&I財団は、中高生女子向けにSTEM領域の学生生活を体験できるプログラム「Girls Meet STEM College」の事前登録を開始した。
同プログラムは、青山学院大学や慶應義塾大学、名古屋大学などの全国24大学と連携し、研究室やキャンパスツアー、大学生との交流などを通して、中高生女子が楽しくSTEM分野の学びや実際の学生生活を体験する機会を提供する。
令和5年度文部科学省「学校基本調査」で理学部・工学部の数字を合算すると、日本におけるSTEM領域への女性の大学進学率は、OECD諸国の中で最低水準の19%となる。
同財団は、大学進学前にSTEM領域の仕事や学びに触れる体験が課題解決の糸口になると考え、中学生女子272名を対象としてSTEM領域で働く女性との座談会を実施した。座談会の結果、STEM職種への関心を持った生徒が約3倍に増加するなど、ロールモデルの存在やSTEM領域で働く人に触れることの重要性が明らかになったという。
各大学でもキャンパスツアーや研究室ツアーなどを実施しているが、同財団では進路選択前にさまざまな体験に参加することを重要視し、全国の24大学と連携。中高生女子が自分のやりたいことや関心のあることを発見し、さまざまな大学生のロールモデルと出会ったり、キャンパスで研究室を体験する経験などを通じて、好きなことを積極的に選択できる機会として「Girls Meet STEM College」を企画した。
Girls Meet STEM Collegeは、全国の大学と協力して実施するツアー形式のプログラムで、中高生女子がSTEM(科学・技術・工学・数学)分野で学ぶ学生や実際の現場に触れることで、将来の可能性を広げる機会を提供する。プログラムには全国の大学のキャンパスツアーや研究室ツアー、大学生や大学院生との交流会などが含まれる。
プログラムは2024年7月より通年で実施され、参加対象は中学1年生から高校3年生までの女子(性自認が女性である人を含む)。対面もしくはオンラインで実施され、保護者の参加も可能なプログラムもある。Girls Meet STEM CollegeのWebページから申し込みが可能で、6月11日に事前登録、7月上旬に本エントリーを開始する。
各大学からは本プログラムへの賛同の声が寄せられている。例えば、青山学院大学の稲積宏誠学長は「多様性を尊重する姿勢」や「垣根を越えて協働する力」を養う環境づくりを進めており、女子の活躍を支援する本プログラムに賛意を表している。
公益財団法人山田進太郎D&I財団は、誰もがその人の持つ能力を発揮し活躍できる社会の実現を目指して設立された団体で、STEM分野のジェンダーギャップ解消を目的に、奨学助成金事業やSTEM体験イベントなどを通じて女性の成長と社会進出を支援している。
2024年6月時点での参画大学は以下の通り。
- 青山学院大学
- 岩手大学
- 大阪大学
- お茶の水女子大学
- 金沢大学(ダイバーシティ推進機構)
- 北九州市立大学
- 熊本大学
- 慶應義塾大学
- 佐賀大学
- 滋賀県立大学
- 芝浦工業大学
- 上智大学
- 信州大学
- 筑波大学
- 帝京大学
- 東京工業大学
- 東京薬科大学
- 東北大学(DEI推進センター)
- 名古屋大学
- 八戸工業大学
- 宮崎大学
- 安田女子大学
- 山梨大学
- 横浜国立大学
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