7月19日、Unity Technologiesは「visionOS」向けベータプログラムをリリースしました。開発者はゲームエンジン「Unity」を使って、Appleの空間コンピュータ「Vision Pro」に最適化されたゲームやアプリを作成したり、既存コンテンツを「visionOS」に移植できるようになります。
今までと同じ使用感で制作可能
Unityは、6月6日開催のAppleによる開発者向け年次イベント「WWDC23」にて、空間コンピュータ「Vision Pro」への対応を発表しており、ベータプログラムへの事前参加申し込みを受け付けていました。7月19日にリリースされたプログラムは、この事前予告されていたプログラムに当たり、こちらのリンクからアクセスできます。
Our beta program for visionOS starts rolling out to participants today! 🎉
Read on to learn more about developing for Apple Vision Pro and how to prepare your games and apps for this exciting new spatial computing platform ⬇️ #UnityPolySpatial https://t.co/4DRRQlYX1J
— Unity (@unity) July 19, 2023
開発者はAR Foundation(*1)など「Unity」の“慣れ親しんだ”機能と感覚で「Vision Pro」向けのコンテンツを制作できるようになります。「Vision Pro」の特徴である、パススルー機能(*2)や「動的中心窩レンダリング」機能(*3)も手軽に実装できるとしています。
*1:Unityが提供するAR開発フレームワーク。ARKit、ARCore、Magic Leap、HoloLensなどと機能連携できる。
*2:HMD装着中に外界の風景(を模した映像)が表示できる機能。
*3:ユーザーの視線に合わせて、中心視野は高解像度で、周辺視野は低解像度でレンダリングすることで、GPUの処理負荷を自動で減らす機能。固定中心窩レンダリング(Fixed Foveated Rendering)と違い、この処理を動的(Dynamic)に行える。
VisionOS向けゲーム開発フレームワーク「PolySpatial」
また、ベータプログラムには「Unity」のVisionOS向けゲーム開発フレームワーク「PolySpatial」へのアクセスも含まれています。Unityの「PolySpatial」とAppleの「RealityKit」を組み合わせることで、「Unity」で作成されたコンテンツは「visionOS」標準の見た目となり、「Vision Pro」装着中の視覚空間へも配置できます。
Appleとの連携を深めるUnity
ベータプログラムのリリースに際し、Unityエコシステム担当SVP兼GMのRalph Hauwert氏は「Unity PolySpatialは、開発者が慣れ親しんだエディターを使用して、新しい没入感のある体験をより効率的かつ合理的に作成できるようにします。これは、開発者が一度作成すればどのプラットフォームにも展開できるという当社の信条の中核となるものです」と語りました。
併せて、AppleのVision Products Group責任者であるMike Rockwell氏は「UnityベースのアプリケーションやゲームはVision Pro上でネイティブに動作するため、低遅延パススルーや高解像度レンダリングなどの画期的なvisionOS機能を利用できます」とコメント。改めてUintyとのシームレスな連携を強調しました。
(WWDC23に登壇するRalph Hauwert氏(左)とMike Rockwell氏(右))
なお、デンマークに拠点を置くゲームスタジオ「Triband」は、リリースに先行してUnity PolySpatialを使って自社開発ゲーム『WHAT THE GOLF?』をVision Pro向けに再構築。「Vision Proで問題なく機能する、楽しい体験を作成することができた」と感想を述べています。
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