日本からは計16グループの申し込みがあり、大阪でのピッチコンペティション国内予選で選抜された以下3グループがメルボルンでのプログラムに参加した。
〇アイデバイス(iDevice):密閉性を確保しながら皮膚疾患を予防できる蛇腹構造の人工呼吸器用マスクを開発した。既存のマスクでは、空気の漏れを防ぐためにマスクを顔に強く押しつけることで、褥瘡(じょくそう、注)という皮膚疾患が起こりやすかった。
〇大阪ヒートクール:錯覚を利用し、皮膚を傷つけることなくひっかいた感触を感じさせるためのデバイスを作成する、大阪大学発のSU。身体の強いかゆみに対する新しい解決方法を開発。
〇リ・リヴ(Re:live):がん患者などの闘病サポートを行うためのアプリを開発中。同じ疾患を持つ闘病者同士がつながることのできるSNS機能や、闘病中・後を見据えたキャリアサポート機能などを備えたアプリを提供予定。
参加者はメルボルンで、現地SUや起業家と一緒に、講義やグループディスカッションなどに参加し、国際的な知見と交流を深めた。講義では、治験を行うための費用が安価で、許認可に必要な準備期間が短いといったオーストラリアのメリットや、現地政府機関の医療・ヘルスケア業界への支援の枠組みなども紹介された(2020年6月18日付地域・分析レポート参照)。
10月27日には現地SUや起業家も含めたピッチコンペティション国際予選が行われ、大阪ヒートクールが12月1日にメルボルンで行われるピッチコンペティションファイナルの日本代表として選ばれた。大阪ヒートクール代表の伊庭野健造氏は「大変光栄で事業の励みになる。決勝でよりアピールするとともに海外展開の礎にしたい。地元の起業家にもこの経験をフィードバックし、(大阪の)国際化に貢献できればと思っている」と述べた。
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