業務からAIまで幅広く使えるPython、今こそ使えるようになろう - ITpro

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近年目覚ましい進歩を遂げている人工知能（AI）。その開発用プログラミング言語の事実上の標準となっているのが「Python」だ。この特集では、入門者向けにPythonの基礎を一気に解説する。

　近年目覚ましい進歩を遂げているAI（Artificial Intelligence。人工知能）。今、その開発用プログラミング言語の事実上の標準となっているのが「Python」（パイソン）です。AI以外にも、データサイエンスやセキュリティといった先端分野から、普段の仕事のちょっとしたルーチン作業の自動化などまで、幅広い分野や用途で活用されています。

　Pythonがこれだけ広まった理由はなんでしょう。それは、他のプログラミング言語に比べて主に以下のメリットがあるからです。

　1つ目の「文法がシンプルで学びやすい」というのは、プログラムのソースコード（「リスト」とも言います）を記述するためのルール（文法）がシンプルだということです。これは、特にプログラミング初心者にとって大事な点です。

　2つ目の「ライブラリ」とは、簡単に言えば、プログラムでよく使われる機能を“部品”としてまとめたものを指します。AI用のライブラリには、AIでよく使われる機能がひとまとめにされています。プログラマは、このAI用ライブラリを自分のプログラムに組み込むだけで、手軽にAIを作れます。AIの機能を自分でイチから作らなくて済むのです。Pythonにはそうしたライブラリが、様々な分野用として用意されているのです。

　このようにPythonは、役立ち度の面でも、習得しやすさの面でも、今一番お勧めのプログラミング言語です。本稿では、入門者向けにPythonの基礎を解説します。この機会にぜひ習得しましょう。

開発準備

　Pythonのプログラムを作るには、Python用の「開発環境」を構築する必要があります。開発環境とは、プログラムのコードを書いたり実行したりするためのツール類、およびその裏で動く仕組み一式のことです。

　開発環境の種類や構築の手段は何通りかあります。本稿では、「Anaconda」（アナコンダ）を採用します。Pythonのプログラム開発に必要なツール類や主要なライブラリなどがパッケージ化されており、世界中で長く利用されています。個人ユーザー向けには「Anaconda Individual Edition」というエディションがあり、無料で使用できます。

　それでは、Anaconda Individual Editionをインストールして、Python開発環境を構築しましょう。本稿では、パソコンのOSはWindows 10 64bit、WebブラウザはGoogle Chromeを使うこととします。

　最初にAnaconda Individual Editionの公式サイトをWebブラウザで開きます（図1）。