オーストラリアで出土した琥珀片を調べた研究チームが、4000万年前のハエが交尾している瞬間を保存した珍しい琥珀を発見しました。
交尾中のハエが捕らわれた琥珀は、オーストラリアのモナシュ大学に所属するジェフリー・スティルウェル氏らの調査で見つかりました。琥珀から姿を見せたのは2匹のアシナガバエ科昆虫。「交尾中のハエが囚われている琥珀はオーストラリアの化石標本において、とても珍しいことです」と強調しています。
この琥珀はオーストラリアのビクトリア州から出土しており、ゴンドワナ大陸南部に由来するものとされています。ゴンドワナ大陸とは、かつて存在したと考えられている、アフリカ大陸やオーストラリア大陸などを含む巨大な超大陸です。
調査では、交尾中のハエだけでなく、ゴンドワナ大陸南部の動物と植物を含む琥珀化石が見つかっています。ゴンドワナ大陸南部由来の最も古いアリ、クモの幼体が集団になっているところなどが新しい発見として発表されました。交尾中のハエを含む今回の琥珀は、ゴンドワナ大陸南部の生態系を理解するための手がかりになるとされています。なお調査の結果を報告する論文は「Scientific Reports」で閲覧できます。
画像は論文より
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